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科学実験

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東北大学大学院医学系研究科、病理検査学分野のホームページをご覧いただきありがとうございます。
我々は乳癌および前立腺癌に焦点を当てて研究を行っています。日本人の死亡原因の第一位は悪性腫瘍であり、なかでも乳癌や前立腺癌は本邦における患者数が最も多く、しかも増え続けています。乳癌および前立腺癌の発育進展には性ホルモンが重要な役割を担っています(性ホルモン依存性腫瘍)。そのため性ホルモンの作用を詳細に解析することで
性ホルモン依存性腫瘍を制御する画期的な治療戦略を構築することや治療奏功性などを予測するバイオマーカーを確立することができると我々は考えています。
当分野では病理学手法を研究の基盤に据えつつ、培養細胞等の疾患モデルを用いた解析を組み合わせて疾患のバイオロジーの解明を試みています。病理学は細胞・組織の形態の異常や機能の異常を直接顕微鏡で観察して記述することで疾患の本質に迫ります。しかしながら、写真と同じで顕微鏡のレンズを通して観ることができるのは実際の疾患のある一
瞬を切り取ったものです。したがって細胞たちの過去(どのように変化してきたのか)、未来(どのように変化していくのか)は想像するほかありません。化石の大きさ、形から古代生物の姿や生態を想像するのに似ているかもしれません。一方、疾患モデルは生体内環境を必ずしも忠実に再現できるわけではありませんが、モデルの動物・細胞は生きているため、刺激を与えればその結果として何等かの変化を生じます。コンピュータグラフィックスで恐竜時代を再現し、シミュレーションで恐竜の動きを解析するようなものでしょうか。
すなわち、病理学的アプローチと疾患モデルを用いたアプローチはそれぞれ異なる長所を持ち、互いに補う関係にあると言えます。当分野では自らの病理学的解析から得た着想を、やはり自らの手で実験的に検証することで病態へのシームレスなアプローチを試み、独創的な研究を展開していきたいと考えています。

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